10月27日、春高同窓会主催の第8回センテニアル定期演奏会を開催しました。このコンサートは、前々会長の今井宏さんが提唱した「春高文化の森構想」の一つの形として、NHK交響楽団理事長でいらっしゃった前会長の日向英美さんの協力を得て、スタートしたと記憶しています。
本校が誇る音響効果に優れた音楽ホール(センテニアル・ホール)を活用し、本校から広く地域の皆様に優れた文化を発信することがねらいで、途中コロナ禍の影響で3年間開催を見送りましたが、一昨年から再開し、今年で8回目となりました。毎回300人を超えるお客様にご来場いただき、我が国最高レベルのクラシック音楽を身近な場所でお楽しみいただいてきました。スタートからご協力をいただいているNHK交響楽団関係者の皆様に感謝いたします。(来年は創設100周年だそうです!)
今年は、N響から5人の弦楽器奏者の皆さん、そしてジャズピアニストの田中菜緖子さんに加わっていただき、「クラシックとジャズの融合」がテーマの演奏会でした。クラシック音楽にジャズのアレンジを加えるだけで、クラシックのコンサートとは思えないほど、グルーブ感たっぷりの演奏を聴かせていただきました。開会のあいさつで、「ジャンルを超えた音楽の化学反応をお楽しみに」と申し上げましたが、予想を超える演奏に会場の皆さんも大いに盛り上がっていました。
今年の演奏会にあたって、N響側からいくつかの提案があったなかで竹村事務局長の選択だったようですが、初めての試みは大成功。演奏会後のお客様からも、今までで一番素晴らしかった、と心からの言葉をたくさんいただきました。うれしい限りです。また来年もぜひお越しください。
演奏者の皆さんからも春高音楽ホールの響きの素晴らしさは絶賛。そして、2年前にオーバーホールしたピアノも、ピアニストの田中さんから軽く弾きやすいとお褒めの言葉がありました。客席で聴いていても、鍵盤から軽やかで機知に富んだピアノのフレーズがこぼれ落ちてくるような感情豊で楽しい演奏でした。
ただ一つだけ、残念なことがあります。ご来場の皆様のアンケートにもたくさん書かれていましたが、ホールの空調が壊れていて(3基のうち1基しか稼働できない)、満席に近い会場内が暑かったことです。演奏が熱く盛り上がったからだけではないでしょうね。空調の不調はしばらく前から続いているもので、学校側には何度か修繕を要請してあります。ご努力いただいているとは思いますが、なかなか直りません。埼玉県の予算の都合もあるのかもしれませんが。
一流の演奏家からも、その音の響きを認められる素晴らしいホールですが、舞台や客席の空調が壊れたままではその価値も半減です。このホールは、公立高校としては他に類を見ない存在です。春高の誇りであり、その価値を守りより高めていくためにも、早期の修繕が望まれます。学校活動にも支障が出かねませんので、引き続き学校側と協議していきます。
埼玉県立春日部高等学校同窓会会長 種村 隆久