同窓会HPで事務局からもお知らせの記事がありましたが、7月27日(月)川口リリア音楽ホールにおいて、作曲家・立原勇さん(高33回)の作品演奏会「祈りの響き」が開かれました。550席の客席はほぼ満席に近い状態で、多くの春高同窓生とそのご家族をはじめ、たくさんの立原ファンの皆さんでいっぱいでした。
コンサートは、トランペットとバストロンボーンの厳かなファンファーレで始まり、その後は、立原さんが取り組んできたテーマである「祈り」に満ちた楽曲の数々が次々に演奏されました。「祈り」とは、日々の生活の中で、誰かを想う、何かを願う、明日に思いをはせる、そんな純粋な行為のことだと立原さんは言います。演奏会の後半では、立原さん本人がタクトを振る曲もあり、ステージ上だけでなく客席も含めた会場全体を温かな空気が包み込むようなコンサートでした。
一時体調を崩した立原さんを励まし、コンサートの開催を企画した高33回の同級生の皆さんが、受付や会場整理など運営にも笑顔で携わっていたのが印象的でした。春高の団結力は卒業後50年近く経っても健在。そんな皆さんの協力でコンサートは大成功。アンコールが終わっても、大きな拍手が鳴り止みませんでした。
実は、音楽関係でもう一人。
国立音楽大学教授で作曲家の菊池幸夫さん(高35回)が、今年の5月24日に、春日部フィルハーモニー管弦楽団からの委嘱で「ノスタルジア」という新曲を書き上げ、楽団の定期演奏会で初披露されたのです。初演が春日部、そして「ノスタルジア」というタイトルからも想像されるように、菊池さんが春高に通っていた頃のイメージがモチーフの一つになっていると語ってくれました。
菊池さんは、春高創立100周年の時に、同窓会の依頼で100周年を祝う交響曲を作曲してくださり、同窓会主催の記念祝典で披露されたことがあります。
立原さんも菊池さんも、あえて音楽のジャンル分けをすると「現代音楽」ということになると思います。現代音楽は複雑で難解だと思っていましたが、今回のコンサートのあいさつで、立原さんが「音楽を理解しようと構えるのではなく、音そのものの響きや空気感を自然に受け止め、それぞれの記憶や感情の中で何かを感じていただければ嬉しい」と言っていたように、できるだけ心のままに聴いてみました。なるほど、スッと心に溶け込んでくる和音やメロディが聞こえてくるじゃありませんか。良い音楽体験になりました。
見渡してみれば、春高には、若き日の音楽体験をずっと引きずって、今でも、おじさんのロックバンドやビートルズのコピーバンド、地域のコーラスや吹奏楽団などで音楽を楽しんでいるOBがたくさんいらっしゃるようです。
音楽ホールの改修が終わったら、いつか、そんな皆さんが一堂に会してプロもアマも一緒になって音楽を楽しむ機会があっても面白いのではないかなあ、と勝手に夢想していますが(笑)。
埼玉県立春日部高等学校同窓会会長 種村 隆久

