同窓会長コラム第34弾「昨日、共学化勧告への(残念な)回答が発表されました」

ある程度考えがまとまってから、と思ったのですが、そうも言ってられず少し書かせていただきます。
※昨日公表された県教育委員会の措置報告書(共学化勧告への回答)は別に添付していますのでご参照ください。

率直に申し上げて、ちょっとがっかりな結論でした。措置報告書を読んでも、奥歯にものが挟まったような言い方で、うがった見方をすれば、結論ありきのようにも感じました。理由が理由になっていない。

私も以前役人でしたが、役人は「書けてナンボ、話せてナンボ」だとずっと思っていました。反対が多く難しい問題も、「どう書けば、どう話せば」相手に少しでも真意を理解してもらえるか、心を尽くしました。最終的に「あんまり面白くないが、まあ、しょうがないな」くらいのところまで理解してもらうことが大事だと思っています。どれだけ考え尽くした、魂を込めた表現ができるかが大事なんです。

さて、今回の報告書を読んで「まあ、しょうがないな」と思う人がどれだけいるでしょうか?

共学化に賛成の人たちは「共学化推進」という言葉が出てきたことは評価するでしょうが、では、その方法は?時期は?など何一つ示されませんでした。
別学の維持を求める人たちにとっては、それぞれの別学校が述べた意見や7万人を超えるアンケート調査結果をどう読み取って、何を尊重したのか。
「共学化推進」という言葉が出てきただけで、それぞれの立ち位置はほとんど変わっていないように思います。もやもや、が残っただけのように感じます。

むしろ、現役の高校生やこれから高校進学を目指す中学生を不安にさせるだけではないでしょうか。

「高校選択の多様性」「生徒ファースト」「男女共同参画と共学化は別問題」「歴史と伝統を壊してはならない」といった私たちが述べてきた主張については、それぞれ言及はありましたが、少なくとも「まあ、しょうがないな」と思える答えはありませんでした。

解釈によっては、別学校がしばらくの間このまま存続する、とも読めます。共学化推進に向けて、何を、いつ、どのように、検討するのか、分からないのですから。(会見で、記者もそのことを何度も尋ねてましたね)

昨日も別学校の同窓会長さんから「これからも息の長い取組みが必要になりますね」と連絡がありました。そのとおり、今回の結論をもとに、今後どうのように進められていくのか、引き続き注視していかなくてはいけません。

(昨日の今日ですので、少し言葉が過ぎたらご容赦ください)


措置報告書

埼玉県立春日部高等学校同窓会会長 種村 隆久

*関連ページ: 種村隆久会長の挨拶(2022年7月公開)