同窓会長コラム第52弾「共学化問題に動きがありました(少しだけ…)」

毎年9月、10月、11月は、各支部会の総会、懇親会が盛んなシーズンです。
今年も、9月7日の蓮田春高会を皮切りに、久喜、大宮、東北、菖蒲、北海道、春日部、野田、東京、横浜、庄和と、続々と開催されています。

それぞれの支部会ごとに個性があり、参加される皆さんから伺うお話も興味深く大変参考になります。相変わらず参加年齢層が高めなのは課題ですが…

最近の支部会では、現役高校生の様子、彼らへの支援のこと、共学化問題の現状などについて話をさせていただいていますが、共学化問題は関心が高く必ず求められます。

そこで、最近の共学化問題の動きについて、少し書いておきます。
7月から8月にかけて、県教委主催の意見交換会が行われました。また、生徒・保護者代表約40名が大野知事と面会(10月22日)しました。

意見交換会は、中・高生、保護者、一般県民が対象で9回行われました。募集人数が160名で、県民約730万人と比較して0.00002%に過ぎないのは大いに問題ですが、意見を聞くという取組みの第一歩が始まったということです。

10月17日に県HPに参加者の意見や県教委担当者とのやり取りが全文掲載されましたので、関心ある方はご覧ください。
(埼玉県HPトップページ⇒「魅力ある高校づくり課」のページを検索⇒「埼玉県立高等学校の共学化に関する意見交換会について」を開く)

県HPの記事を読んで大変感心したのは、中・高生が立派に堂々と意見を述べていることです。参加者は大半が共学化反対の立場でしたが、印象に残ったのは、「共学化を主体的に推進する」という県教育長の記者発表に至った経緯が不透明で納得できない、という意見です(そのとおり!)。また、高校生の意見に正面から答えてもらってない、とも。清々しさを覚えるほど、冷静に真正面から県教委職員と議論しています。

何よりこの問題の発端である1件の苦情の経緯からして不透明で納得いくものではなく、その後の経過もさまざまな面で説明が足りないと感じていますが、高校生たちも同じ意見を持っているということを県教委は真摯に受け止める必要があると思います。そこをきちんと説明できないと、この先も議論が進まないのではないかと危惧します。

10月22日の大野知事との面会は、この問題でようやく知事が前面に出てきた感じですが、ここでも参加者とは温度差があったという印象です。この時、高校生から提出された要望書は、大変しっかりした内容だったと思いますが、知事はどう受け止めたでしょうか。

今、心配なのは、別学・共学の意義や課題についての議論をスルーして、少子化による高校統廃合問題にすり替えられないかということです。少子化を理由として統廃合する高校に別学校が含まれてしまえば、十分な議論なく共学校にされてしまいかねないと懸念しています。杞憂であればいいのですが。

埼玉県立春日部高等学校同窓会会長 種村 隆久