今、春高は期末テストの真っ最中。特に、3年生にとっては、進路選択の最終的な方向性を決める大事な時期にさしかかっているのではないでしょうか。50年前の自分を振り返ると、夏休み前は、まだまだ夢を見ていた頃だったかな、と反省しきり。
というわけで(どういうわけ?)、今回のコラムは先月の春高ヨーロッパ倶楽部総会に参加した際のドイツ鉄道についての話を少し紹介したいと思います。直接的な同窓会の話ではありませんが、お付き合いください。
総会会場は、デュッセルドルフ市内でしたが、ドイツへの空路は羽田からフランクフルトへの往復直行便。つまり、フランクフルト~デュッセルドルフ間の移動が必要になり、そのための最もポピュラーな手段が鉄道です。
ドイツはDB(Deutsche Bahn ドイツ鉄道株式会社)が国内全土に鉄道網を持ち、重要な交通手段となっています。フランクフルト~デュッセルドルフ間はICE(日本の新幹線のような特急列車)で約1時間15分くらい。私は、想定される移動の鉄道チケットを日本国内で購入し、準備万端でドイツに乗り込みました。
ところが、最初に鉄道を利用したフランクフルト空港駅でデュッセルドルフ行きの特急列車が、15分の遅延(写真 8:23発の隣に実際の発車予定時刻8:38が表示されている!)でした。事前にWebの情報で鉄道は時間通りに来ない、とのコメントがたくさんあったので、ある程度は覚悟していましたが、初乗車からこの有り様。これが毎日のように続くのでした。
ドイツの人たちは慣れているようで、少し遅れようが、発車ホームが突然変更になろうが、急に運休になろうが平気なよう(に見えました)。こちらは慣れない異国で慣れない事態に右往左往。
ここまで書いて、いかに日本の鉄道などの公共交通が優れているか、ということが分かっていただけると思います。日本の常識が必ずしも世界の常識ではない、ということですね。ひどく遅れても一切謝らないし。
一つだけ、助けられたエピソードがあります。
午後6時からデュッセルドルフ市内で春高ヨーロッパ倶楽部の総会がある日。その昼間の時間を利用して、ケルン(デュッセルドルフから特急列車で20分)、ボン(ケルンから特急列車で20分)に観光に出かけた時のこと。ボンまでの往路が遅れ遅れでしたので、帰りは余裕を持って早めにボン中央駅に着いたのですが、ホーム表示を見ると私が乗る列車が30分以上遅れると出ています。ケルン乗換え時間を調べたら、総会に間に合うかどうかという時間にデュッセルドルフ到着です(それも列車遅延がないという前提で)。これは、危機一髪です。
慌てて、駅のインフォメーションに駆け込んで、DBの係の女性に状況を説明し、可能な限り早くデュッセルドルフに戻りたいが何とかならないかと訴えたところ、いろいろ調べてくれて、一枚のプリントをくれました。
そして、「あと3分で来る列車に乗りなさい。ケルン乗り換えで4時27分にデュッセルドルフに着く。ケルンでは17分の乗換え時間があるから慌てなくて大丈夫。あなたが持ってるチケットは違う列車のものだが、もし車掌が来たらこのプリントを見せなさい。ほら、電車が来た。急いで!あれに乗るのよ!」(ドイツ語混じりの英語で親切に教えてくれました)
私は2度お礼を言って、列車に滑り込みました。やれやれ、です。ドイツの鉄道に関して、唯一、私が感謝したエピソードです(笑)。
ただ、これも続きがあって、ケルン到着が予想通り(笑)遅れて、ケルン乗換えが2分しかないという(ホームと階段をダッシュで走りました)オチがつきました。
春高ヨーロッパ倶楽部総会で、この話をしたら、現地で働く彼らは口を揃えて「私たちは列車には乗らない。大体が車での移動です」と。ドイツの列車をあまり信用していないみたい?
私の中では、ドイツの鉄道は、日本ほどじゃないけど、それなりにパンクチュアルなイメージがあったのですが、どうもそうでもなさそう(?)
鉄道については、今回のドイツ訪問で、ある意味最も印象に残ったことの一つです(笑)。
埼玉県立春日部高等学校同窓会会長 種村 隆久

