同窓会長コラム第43弾
「『魅力ある県立高校』とは?」

3月30日(日)午後2時から、共学化に反対する春のウォーキング(第2回)が行われ、参加してきました。昨年末に行われた第1回と同様に、県庁から浦和駅まで約30分のウォーキングでしたが、現役高校生、卒業生などの関係者(今回は若い卒業生が多く参加してくれました)、その他共学化反対に賛同する皆さん約250名の参加を得て実施されました。春高関係者をはじめ、ご参加の皆さん、お疲れ様でした。

浦和駅までの共学化反対ウォーキング

浦和駅までの共学化反対ウォーキング

前日の真冬のような天候と打って変わって暑いくらいの陽気で、声を上げて道路を歩くには悪くないコンディション。歩道を行く通行者の皆さんも足を止めて見ていてくださいました。多くの方に関心を持っていただくことは大変うれしいことです。

この問題は、決して県内別学校関係者だけの問題ではありません。現役の高校生、将来の高校生をはじめ、多くの県民の皆さんが関心をもって考えていただくことが何より大事です。

昨年、県教委が実施した男女別学校に関する県民アンケートには約7万人から回答があったそうですが、埼玉県民約730万人からすれば、たった1%程度にすぎません。そのアンケートでは、ほとんどの年齢層の方から、共学化を望む回答よりも現状維持(別学校があってもいい)を支持する回答が多かったにもかかわらず、県教委は「主体的に共学化を推進する」という方針を出しました。

その理由は、「高校の3年間を男女が互いに協力して学校生活を送ることには意義がある」というほわほわした何とも説得力のないものでした(そう思いませんか?)。さらに、そのことを決めた教育委員会議はすべて非公開で、実際にどんな議論がされたのかも分かりません。

この問題は広く多くの県民の皆さんによるオープンな議論が必要だと思っています。ある一部の人たちの限定された意見による結論ではなく、様々な立場の、いろいろな意見を持つ方々が真摯に意見を交わすことによって、より良い将来に向けた結論を導き出すことができると思うのです。

今回、県教委が改訂作業を進めている「魅力ある県立高校づくりの方針案」でも、2月9日まで県民意見を求めました。先日、その結果が公表されましたが、432人(個人・団体)から597件の意見があったそうです。(公表では意見欄は512件で、1件の意見内に複数箇所への言及がある場合は別意見とカウントするため597件となる。)

私が個人的に数えた限りでは、357件(512件中)が「共学化の推進」に関する意見で、そのほとんどすべてが、共学化推進に反対し項目の削除を求めるものでした。

しかしながら、県教委はそのほとんどに対して「計画へ意見の反映はしない」とスルーした結果となりました。それぞれの意見への「県の考え方」欄も、ほとんどがコピペで同じ文言が並んでいます。共学化反対の立場は同じだとしても、その理由や背景はそれぞれ異なります。事務容量的にある程度のコピペは理解しますが、もう少し意見内容に添った答え方があってもよかったのでは、と少し残念に思います。

ところで「魅力ある県立高校」を作るのは、誰なんでしょうか? 私たち春高同窓会、PTA、後援会は、共学化問題の当初から「生徒ファースト」が大事だと述べてきました。現場で、その高校の歴史や伝統を尊重し、未来に向かってその文化を発展させていこうとする生徒たちが主役です。そこに、教職員、同窓生や地域の皆さんなど関係者の協力があって、それぞれの高校の魅力を輝かせることができるのだと思いますが。今の計画作りは、そうなっていますか?

埼玉県立春日部高等学校同窓会会長 種村 隆久