8月22日に、県教育長が措置報告書(県男女共同参画苦情処理委員勧告書への回答)を発表した時、その内容が腑に落ちずに大いなる違和感を覚えた人は私だけではないと思います。その際、このコラムにも、今後も引き続き注視していく必要があることや息の長い取り組みになることを書かせていただきました。
すでに同窓生のFacebook投稿などでご存じの方もいらっしゃると思いますが、県教委の新たな動きが見えてきました。
おおよその話として、県教委が「魅力ある県立高校づくりの方針 平成28年策定」を前倒しで改定する予定だとのこと。その改定計画の実施方策の中で、共学化候補校を明示するなど、県の動きが慌ただしくなってきたということです。どこまで確度のある情報かは不明ですが、火のないところに煙は立たない、です。
そうした動きを踏まえて、あらためて県知事に意見書を出すことになり、浦和高校同窓会長から意見書の案が送られてきました(添付ファイルをご覧ください)。一読して、ほぼ同意できる内容でしたので、その旨返答したところ、意見書の最後の提出者欄に名前を載せてほしいと要請があり、承諾しました。すべての同窓会長が氏名掲載するのではなさそうですが、共学化に反対する意思を明確にすべきだと思うからです。
また、12月26日(木)午後2時頃から別学校卒業生有志を中心に、在校生も含めて約200人(予定)が県庁から浦和駅まで「共学化反対ウォーク」をするということです(添付チラシをご覧ください)。希望者は誰でも参加できるようです。
一方、国会でも春高同窓生の阿部司代議士(高53回卒)が、12月18日の衆議院内閣委員会において、「共学化を男女共同参画の課題として捉えることは理念の根本的誤解である。教育の選択肢を残すことこそ、多様な価値観を尊重する男女共同参画の理念に合致する」として三原じゅん子内閣府特命(男女共同参画)担当大臣に見解を質疑しました。
(YouTube あべチャンネル #206 をご覧ください)
三原大臣は、「男女が性別に関係なく学校教育の機会を均等に付与され、教育の内容や水準を同等とする必要はあるが、このことはすべての学校における男女共学を一律に強制するものではない。男女別学は、地域の実情、住民の意向、学校の特色、これらに応じて設置者が適切に判断すべきものである。」と明確に答弁しました。
今回の発端となった勧告書では、なぜ共学になれば男女共同参画が進むのか、この論点が曖昧だったのですが、県教委の措置報告書でも、その論点の説明は避けられていて「男女が一緒に学ぶことが望ましい」というほわほわした理由で「県が主体的に共学化を推進する」という強い結論が導き出されてしまいました。結論ありき、では!?
さらに、ここで県教委が共学化の具体的な計画を進めようとするのであれば、共学化反対の理由と意思をあらためて表明することが大切だと思います。今回の意見書と共学化反対ウォークにご理解を。
今年は年初から年末まで、共学化問題ですっきりしない一年でした。今後の動き次第ですが、来年が心も晴れて気持ちのいい一年になることを願っています。
今年一年間、同窓会本部の活動や支部活動にご協力をいただき、大変ありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。
埼玉県立春日部高等学校同窓会会長 種村 隆久