北海道春高会から第30回支部会のご案内をいただき、11月30日に札幌に行ってきました。
現在、春日部高校同窓会には36の支部(春高ヨーロッパ倶楽部を含む)がありますが、国内では一番遠い支部です(直線距離で約800キロ)。北海道には住所が分かっている春高同窓生が57人いますが(事務局調べ)、北海道は広いですから札幌に集まるだけでもなかなか大変です。
代表の加藤清彦さん(高30回)がメールでこまめに連絡をしているそうですが、今回の参加者は5人。以前は現役の北大生をはじめ十数人が集まったこともあったとか。ただ、コロナ禍の休止期間や年齢層が年々高くなることなどから、今は参加者がなかなか集まらないと悩みも深い様子。
今回集まってくれたのは、進学先に北大や旭川医大などを選び、卒業後もそのまま彼の地で仕事に就いて今に至るという方がほとんどでした。
参加者を増やすため、来年は8月の北大のオープンキャンパスに時期を合わせて、学生も交えて開催したいという話になりました。今回の支部会は、時期的に小雪もちらつき、かなり寒かったので、さわやかな夏の北海道はいいと皆さん乗り気で話が弾みました。
また、遠い北海道でも県立高校共学化については関心が高く、いろいろなご意見をいただきました(もちろん共学化反対です)。高校進学の選択肢があることが大事なことだというのが参加した皆さんの共通した意見でした。道内で共学高校の教員をしている熊田達夫さん(高30回)から現場に即した話題提供もあり、男子校の良さを再確認しつつ、いつのまにか話の流れは、生徒も同窓生もほぼ全員が校歌を最後まで歌えることは素晴らしい、という母校礼賛に。
富良野から参加した矢倉幸久さん(高34回)は東京大学名誉教授の渡辺裕先生の著書「校歌斉唱!」(新潮選書)を持参して、まるごと春高校歌について書かれた第6章(約50ページ)の紹介をしてくれました。春高生にとって、校歌を歌うことは理屈抜きの文化であり、母校を愛する気持ちの表現なんだと思います。
私も共学化反対の共同記者会見(4月)で、記者から「春日部高校の文化とは?」と質問され、思わず「校歌が大好きなこと」と答えましたが、春高生にとって校歌は120年を超える母校の歴史、伝統、文化を次世代に継承していくための核となるものです。体中で校歌を歌えることの喜びは、多分男子校だからこそ、ではないでしょうか。
さて、支部会の最後は、いつもどおり「校歌斉唱」。少人数ながら札幌の居酒屋に春日部高校の校歌が響き渡りました。校歌を歌いながら、参加した皆さんの脳裏には40年以上前の仲間の顔や土足で生活した旧校舎の姿などが思い浮かんでいたのではないでしょうか。(新校舎も土足ですよ!)
お開き後、外に出るとちらちらと小雪が舞っていました。
埼玉県立春日部高等学校同窓会会長 種村 隆久