同窓会長を務めていて大変うれしいことの一つが、毎年の入学式、卒業式に参加させていただけることです。
中学生の面影を残しながら、期待と不安の中で入学式に臨む新1年生。一方で、3年間を春高で過ごし、すっかり春高生の雰囲気と矜持を纏って旅立つ卒業生。それぞれの式典に参列し彼らの成長の姿を直に見られることは人生の宝物です。
今年も3月14日(土)、第78回卒業証書授与式が執り行われました。今年は352名(全日制)が人生の新しいステージに旅立っていきました。卒業生入場や退場の際、吹奏楽部が演奏する「威風堂々」や「旅立ちの日」、そして応援指導部が高々と掲げ続ける大校旗が式典会場を引き締めます。いつもながら圧巻です。本当にご苦労様です。
角坂校長先生の式辞は「世界を変えるのは君たち。古いルールに縛られない若い世代の選択と行動こそが未来を変える力を持つ。」と背中を力強く押す励ましのメッセージ。
そして、いつ聞いても素晴らしい校歌は、さすが体育館に響き渡る立派な斉唱でした。3年間で校歌のスピリットが彼らの心身を一回り強くたくましくしたことを実感できる歌声でした。
お決まりの「ちょっと、待ったぁ!」も毎年大いに笑わせてくれます。保護者の方を含め数百人の前で、笑いと涙に溢れたパフォーマンスはあっぱれ。志望校目指して、来年こそは頑張れ!(笑)
PTAの役員さんから、今年の卒業記念品を頂戴しました。中に「凱風快晴」とプリントされたクリアファイルがありました。葛飾北斎「富嶽三十六景」の中の一枚。穏やかな南風を受け、快晴の空を背景にそびえる朝焼けの富士の錦絵の題名です。今の混沌とした世界情勢を見ると、卒業生のみんなが進む道筋は必ずしも穏やかで快晴とはいえないかもしれませんが、北斎の絵に見る晴れ晴れと立派な富士のように、常に多くの人から仰ぎ見られるような、たくましく信頼される人に成長していってほしいです。
卒業おめでとう!そして、新たな人生に幸あれ!
卒業式を終えて体育館の外に出ると、早春らしい穏やかな日和。51年前の自分の卒業式の日も、同じように穏やかに晴れていたような記憶が蘇ってきました。
ただ、式典の中身はよく覚えていなかったので、何人かに聞いてみましたが、みんな記憶の彼方(笑)。半世紀も前のことだから仕方ないですね。しっかり覚えているのは、卒業式から帰ると、第1志望の大学から合格電報が届いていたこと。楽しく面白く過ごした3年間との別れと、新しい人生のスタートが折り重なり、ああ、春が来たなぁ、と心から感じたのでした。
良くも悪くも、春は一つの区切りの季節。歳を取るとそういうことを忘れがちになりますが、またきちんと生きていこうと思った次第。思い出させてくれた春高の卒業生に感謝します。
埼玉県立春日部高等学校同窓会会長 種村 隆久
