3月15日、穏やかな晴天の下、春高体育館で第75期卒業式が執り行われました。ご案内をいただき、出席させていただきました。
晴れやかで厳粛で、そして、春高スピリットに溢れた素敵な卒業式でした。
卒業生は、9クラス358名。入学してから3年間コロナ禍に翻弄された学年です。入学した途端、緊急事態宣言で学校は休校。登校できるようになっても学校行事は中止、或いは縮小、そしてマスクの日々。本当に大変な高校生活を過ごしたんですね。でも、彼らの表情からは、逆にたくましさ身につけたような雰囲気もありました。
上原校長先生の祝辞では、昨年の文化祭の一般公開を導いた生徒たちとの議論の様子を教えていただきました。「しっかりと準備し正々堂々と」と伝えたとのこと。
また、全卒業生へ、戦前の気骨の政治家・齊藤隆夫の言葉を引用して「一本の蝋燭たれ」とのメッセージが贈られました。「自分の身を削ってでも世の中を明るく照らせ」と。
不安定な国際情勢や世界経済、気候変動、少子化、超高齢化、コロナ後の社会状況の変化など、正解のない予測のつかない社会に旅立とうとしている358名への厳しくも暖かい祝辞をいただきました。
在校生からの送る言葉も、卒業生のお礼の言葉も、時にユーモアを交えながら、しっかりした内容で、何より心がこもった素晴らしいものでした(今どきの高校生は大人だなあ、と感心してしまいました)。
最後は、校歌。万感の思いで精一杯歌う姿に思わず胸が熱くなりました。いつも思いますが、本当にいい校歌です。
校歌斉唱そして、卒業生退場、とアナウンスがあり、もう終わりかと思った途端、「ちょっと、待ったぁ!」と一人の卒業生が壇上に駆け上がり、「みんな、聞いてくれ!」と檄を飛ばし始めるという(春高お決まりの)シーンへ。これぞ、春高卒業式。あのまま終わっちゃったら春高じゃないですよね。「ちょっと、待ったぁ!」の彼もいいこと言ってましたね。
そして、彼の檄に続いて、応援歌「秩父の嶺」を全員が肩を組んで勢いよく歌って、ようやく卒業生退場になりました。
春高生は優秀です。でも、単に優秀なだけではない。仲間を信じ協力し何かを成し遂げる力を持っているはず。男子高校生が358人も集まって、あれだけ統制が取れた式典ってなかなかできないです。その後のはっちゃけぶりも見事。
物事の緩急をきちんとわきまえていて、時には少し寄り道をしたり、本や映画やスポーツに夢中になったり、人生の余白を楽しみながらも、ちゃんと自分の目標に向かって進んで行ける若者たちだと強く感じました。
本当に心から応援したくなる、見事な卒業式でした。
もう一つ、式典の最後まで緊張感を切らさずに頑張った応援指導部と吹奏楽部の皆さんにも拍手!
卒業、おめでとうございます。
75期の皆さんの未来に幸あれと心から願います!
埼玉県立春日部高等学校同窓会会長 種村 隆久
*関連ページ: 種村隆久会長の挨拶(2022年7月公開)