同窓会長コラム 第10弾
追悼「今井宏元同窓会長のご冥福をお祈りいたします」

今井宏元同窓会長が今朝ご逝去されたと、ある先輩からご連絡をいただいたのは3月3日の午後でした。
体調がよくないとは伺っていましたが、突然の訃報に言葉もありませんでした。

失礼を承知で申し上げれば、今井元会長は「行動の人」だったと思います。
春高同窓会の活動の柱の一つ「春高文化の森構想」を立ち上げたこと、春高野球部をぜひ甲子園へと、誰も考えなかったプロ野球OBの八木沢壮六さんに臨時コーチをお願いしたこと、野球部の後輩の青島健太さん(高29回)が埼玉県知事を目指した選挙では先頭に立って各方面に頭を下げて応援したこと、など枚挙にいとまがないほどです。

同窓会長として、NHK交響楽団を招いて毎年開かれるセンテニアル定期コンサートをスタートさせたり、同窓会の情報発信の基礎となるホームページを刷新するなど、その功績は大きく、何より常に明るく笑顔で接したいただいたことを覚えています。

個人的には、私がまだ春日部市役所職員だった頃、一緒に昼飯を食べようと誘われ、行ってみたら春日部女子高の同窓会長と副会長が同席されていて、両校合同の音楽イベントをやりたいね、という話で盛り上がりました。私は、できたらいいですね、と少し言葉を濁したのですが、今井さんは「よし、やろう!」と即決。まだ実現には至っていませんが、今となっては、そのとき同席した身として、その思いを託されたのかな、とも感じています。なお、両校の音楽イベントに互いに招待し合う習慣はこの時から始まったのだと思います。

また、故ドナルド・キーン氏とも親交が深く、草加市長時代に「奥の細道国際シンポジウム」や「奥の細道文学賞」といった文化事業を創設されました。
実は、奥の細道で最初の宿泊地をめぐって、芭蕉は「ようよう草加という宿にたどり着きにけり」と記していますが、弟子の曽良の随行日記では「粕壁に泊まる 江戸より九里あまり」とあり、当時、奥の細道関連事業の立ち上げを考えていたのですが、どっちが本当かと言っているうちに、当時の今井市長に先を越されてしまった思い出があります。

「行動の人」は、これからも様々な場でご活躍されたはずと思うと大変残念でなりません。

同窓会長コラムという場で個人的なことを記すことに若干の躊躇はありましたが、ご容赦ください。

今井宏様、長年にわたりありがとうございました。ご冥福をお祈り申し上げます。


埼玉県立春日部高等学校同窓会会長 種村 隆久

*関連ページ: 種村隆久会長の挨拶(2022年7月公開)