三上於菟吉(中7回卒)生誕130年を迎えるにあたり、改めて三上於菟吉の功績を確認し、後世に伝える顕彰碑を母校春日部高校に設置しました。
その除幕式が、令和3年2月28日(日)に行われました。当日は三上於菟吉顕彰会の新井義昭会長、日向英実同窓会長はじめ、来賓として直木賞作家で春日部高校OBの北村薫さん、文芸評論家の尾形明子先生、昭和女子大学名誉教授の槍田良枝先生が参列されました。
設置場所は、旧正門の前庭「奇跡の銀杏」の左側にあり、側には木寺柳次郎初代校長の記念碑もあります。ご来校の際は、是非お立ち寄りいただきたいと存じます。
「顕彰碑」八幡山にて
学校が退けて直ぐ八幡山に登った。樹々の葉はまう散り儘して靴の踵が埋まる。淺い社の落ちかけた日が差し込んで枯枝が落葉の上に交叉して居る。前を眺めると町外れの方へは友達が三々伍々歸って行く。
(『文章世界』明治四十二年一月十五日に掲載)
三上於菟吉は、春日部市(旧庄和町木崎)に生まれ、旧制粕壁中学校(春日部高校)を卒業し、昭和初期には菊池寛と並ぶ活躍をした大衆小説家です。多くの名優が演じた『雪之丞変化』、春日部を舞台にした『百萬両秘文』など、百余の名作を残しました。また、菊池寛らとともに「直木賞」を創設し、自ら選考委員を務めました。
三上於菟吉は、自らの文筆活動の他、数多くの若手、また女流小説家を支援してきました。
三上於菟吉の生誕百三十年を記念し、その功績を顕彰いたします。
令和三年二月
三上於菟吉顕彰会
春日部高校同窓会