吉田正彦さん(高12回)からご著書をご寄贈いただきました

吉田正彦著「西洋珍職業づくし」

吉田正彦著「西洋珍職業づくし」

今はなき、ヨーロッパの奇妙な職業を調べた類のない本。
蟻のさなぎを取って売るという商売が、中部ヨーロッパには、1920年代まであったという。鳥のエサにするのだとのこと。
電気、ガス灯がなかった時、宮殿や芝居の灯はロウソクに頼っていた。ヴェルサイユ宮殿では3千本、ウイーン宮廷劇場では1回の上演に舞台に5百本、客席に3百本使ったとか。当時のものは獣脂が出て悪臭を放った。そこで、たえず芯を切り揃えるのを職業とする人が舞台や客席を駆け回ったという。
街角に壺を置き、そこに小便をしてもらい、そこからのアンモニアで羊毛の衣料を洗う職業は、古代ローマからあり、印刷機の発明以後、古布を回収する貧しい人が、いたるとを歩いていた。
スパイスの効かせた文章と、アイロニーにあふれた挿絵、人の世の栄枯盛衰の物語。
ミヒエエラ・フィーザー著。

<訳者の吉田正彦さん>
春高12回卒、元明治大学文学部教授。
近世、近代のドイツ文学および文化を専攻。文筆家、翻訳業。さいたま市岩槻区在住。