同窓会長コラム第51弾「勧告から2年、教育長会見から1年―今、私たちはどこにいる?」

1件の苦情に端を発する共学化勧告から2年。県教育長の「主体的に共学化を推進する」記者会見から1年。
その間、各校での意見聴取会、意見書の提出・懇談、県民アンケート、共学化反対ウォーク、最近の意見交換会、などなど。多くの関係者の皆さんが熱心に声を上げ、行動し、働きかけを行ってきましたが、どうにも、私たちの現在地が見えません。

何も返ってこないんですよね。なんだかいつも「暖簾に腕押し」状態。
問題解決には、お互いの意見・考え方を知り、共通点や相違点を明確にした上で、それぞれが合意、或いは妥協できる点を見つけていく努力をすることが必要だと思います。ただ、今は、誰に対して、何を言えば、私たちの声が届くのか。そもそも、私たちの声に耳を傾けているのかさえ分からない状態のような気がします。

この夏の意見交換会で、県教委の出席者は「県が主体的に共学化を推進する」納得できる理由を説明したのでしょうか。会場で具体的にどんなやり取りがあったのか、県側から公表されるのでしょうか。何より、中高生参加者の意見に対して、最後は「教育委員に伝えます」って。いろいろな不安もある中で、思い切って参加してくれたんです。もう少し誠実でていねいな対応があるべきでは。

では、中高生はじめ意見交換会参加者の意見を伝えられた教育委員の皆さんがどんな議論をしてくれるのか。参考に、昨年の教育長記者会見(8月22日)以前の教育委員会会議で、共学化についてどんな議論があったのか、あらためて確認してみました。

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同窓会長コラム第50弾「女子大の共学化ニュースを聞いて思うこと」

最近、武庫川女子大学や鎌倉女子大学といった歴史ある私立女子大学が共学化に移行するというニュースが流れてきました。それぞれ近年の受験倍率は堅調に推移し、経営的にも特に問題はないと聞きます。

では、なぜ今共学化なのか?
一番の理由は「少子化」です。鎌倉女子大学HPによると、日本の大学進学者数推計(中央教育審議会答申より)は、2021年は62.7万人、35年は59.0万人、40年には46.0万人に急速に減少することが見込まれているということです。約半数が女子だと仮定すれば、女子の大学進学者数は20万人台前半に落ち込むことが確実で、その傾向はさらに加速されるだろう、ということです。

「私立大学」である以上、受験者数の減少や定員割れによる経営への影響はどうしても避けたい問題で苦渋の選択だったのでしょう。ただ、当然ですが、卒業生や在学生からは、共学化反対の大きな声が上がっているようです。

一方、身近なところで、同じ「少子化」を理由に、埼玉県教育委員会は「魅力ある県立高校づくりの方針」の中で、2038年までに、現在の県立高校131校を116校~112校に減らす(最大19校減)必要があるとしています。

県内の公立中学校卒業者数が、約5.9万人(2024年3月)から約4.4万人(2038年3月)に減少する(約25%減)ことが見込まれるためで、「中学校卒業者の減少」と「教育ニーズの多様化」を理由として挙げています。

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同窓会長コラム第49弾「ARDF(アマチュア無線方向探知)世界大会」

7月5日、大河滔々奨学基金運営委員会の今年度第1回会議が開かれました。
ご存知のとおり、大河滔々奨学基金は、経済的援助が必要と認められ、かつ学習意欲がある生徒及び卒業生を支援するもので、高校創立120周年を契機に設立されました。

今年度の同窓会総会では、約3700万円の基金残高や、本年度は538万円の予算を組んで生徒たちに経済的な学習支援を行うことが承認されました。毎年、多くの同窓の皆さんから多大なご協力をいただき、運営させていただいています。感謝申し上げます。

さて、今回の会議で話題になったのが、ARDF(アマチュア無線方向探知)世界大会に日本代表(19歳以下男子の部)として出場する春高3年生の山本陽(やまもとはる)君。

山本君は、物理部員です。物理部では、これまでも多くの部員がARDFの国内大会に参加してきましたが、今年の国内大会で山本君が5位入賞し、見事、日本代表の座を射止めたのです。

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同窓会長コラム第48弾「『男女共学化意見交換会』のあり方について」

埼玉県教育委員会が、7月25日から8月23日にかけて開く「埼玉県立高等学校の共学化に関する意見交換会」の中高生の応募が低調です。当初4月に開催要領と参加者募集の告知を行ったものの、中高生の部にほとんど応募がなかったため、5月15日にあらためて追加募集をしましたが、7月8日時点で定員の35%の応募しかない状況です。

そもそも、この意見交換会は、県域を東西南北に分けて、それぞれ中学生・高校生15人ずつ(計120人)。その他、中高生の保護者20人、それ以外の県民20人を合わせて全体で160人の定員です。160人とは、埼玉県民約720万人の0.00002%に過ぎません。

県教育長は、昨年8月22日に「主体的に共学化を推進する」と記者会見で表明した際、「広く県民の声を聞いていく」ことを併せて述べました。そのアクションの第1歩を踏み出したことは評価できますが、やり方はどうなんでしょうか?

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同窓会長コラム第47弾「ドイツ鉄道(DB)について」

今、春高は期末テストの真っ最中。特に、3年生にとっては、進路選択の最終的な方向性を決める大事な時期にさしかかっているのではないでしょうか。50年前の自分を振り返ると、夏休み前は、まだまだ夢を見ていた頃だったかな、と反省しきり。

というわけで(どういうわけ?)、今回のコラムは先月の春高ヨーロッパ倶楽部総会に参加した際のドイツ鉄道についての話を少し紹介したいと思います。直接的な同窓会の話ではありませんが、お付き合いください。

総会会場は、デュッセルドルフ市内でしたが、ドイツへの空路は羽田からフランクフルトへの往復直行便。つまり、フランクフルト~デュッセルドルフ間の移動が必要になり、そのための最もポピュラーな手段が鉄道です。

ドイツはDB(Deutsche Bahn ドイツ鉄道株式会社)が国内全土に鉄道網を持ち、重要な交通手段となっています。フランクフルト~デュッセルドルフ間はICE(日本の新幹線のような特急列車)で約1時間15分くらい。私は、想定される移動の鉄道チケットを日本国内で購入し、準備万端でドイツに乗り込みました。

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