[ 寄稿者:春高ヨーロッパ倶楽部 広報担当 加藤 晃 氏(高34回) ]
55年ぶりの大阪万博、トランプ関税、石破首相のリベラル宣言、参院選などで激しく揺れる日本ですが、ヨーロッパでは 6月14日、ドイツ・デュッセルドルフにおいて「春高ヨーロッパ倶楽部」2025年総会が開催されました。
夏休み・お盆休みになり、やっとゆっくりと支部ニュースを読んでいただける時期になったと思います。今回もデュッセルドルフの観光紹介などの写真を中心に報告させていただきます。デュッセルドルフ観光記として若いOBにもお読みいただければ幸いです。
【デュッセルドルフの紹介】
デュッセルドルフと言えばこの景色ですね。本当に美しい街です。
美しい街並みだけではなく、デュッセルドルフはヨーロッパにおけるリトルトーキョーです。ドイツの中でも特にデュッセルドルフ周辺は親日的であると言われています。日本からの移住者も多く、その雰囲気は想像していたものを遥かに超えて、日本食のお店があるだけではなく、ヨーロッパにおける親日の方々の聖地と言っても過言ではないでしょう。
過去からの長い期間において日本人がこの地で一生懸命に紳士的に生きてきたことを感じる街。それがデュッセルドルフです。
今回2025年の総会は2024年につづき2年連続のデュッセルドルフでの開催です。ドイツは主要都市が国内に分散しているため、日本からのアクセス・ドイツ周辺からのアクセスなどを考慮して、デュッセルドルフでの開催となりました。勿論デュッセルドルフの街が非常に居心地の良い環境であることも大きな理由です。
前回はフランクフルト国際空港からICE高速鉄道(最高時速300㎞)で一番早い電車で2時間半くらいでデュッセルドルフに行きましたが、今回はデュッセルドルフ空港を使用し、普通電車でデュッセルドルフに行きました。空港から5駅ぐらいで15分くらいです。種村同窓会長がコラムで仰っているとおりです。できるだけ列車に頼らないで旅を完結したいということです。デュッセルドルフ空港からはタクシーでも可能ですし、昨年2024年デュッセルドルフ総会には「空港から歩いた」という田子さん(76回)もいるくらいですから。
[デュッセルドルフ中央駅]
デュッセルドルフ中央駅の印象は2024年のデュッセルドルフ総会の報告で書きましたので、詳しくはそちらをご覧いただきたいのですが「デュッセルドルフの駅の作り方は素晴らしい。」これがデュッセルドルフの第一印象です。
なお、街にはコスプレを楽しむ若者が沢山居るのですが、その写真も2024年版で取り上げましたので、ご興味ある方はこちら(「春高ヨーロッパ倶楽部」2024年総会がドイツ・デュッセルドルフで開催されました。)をご覧下さい。
とは言え、やはり日本信者の聖地デュッセルドルフですから、コスプレの写真一枚だけ載せておきます。
[リトルトーキョー]
それでは、リトルトーキョーの様子に移りましょう。
まずは高木書店です。この書店の前でしばらく様子を見ていたのですが、若い美しい女性が次々と入っていきます。私は日本のアニメのことはあまり分からないのですが、分かる範囲では「トトロのカレンダー」などを置いてあるようです。
その隣がこちらの喫茶店と思われる不思議なお店です。漫画カフェとのことですが、日本の漫画喫茶とは違う感じがします。掲載写真ではできるだけ人物が入らないタイミングで撮っていますが、ここに実に次から次へとお客さんが入っていくんです。
メニューを見ると、「抹茶ラテ」「ウーロンミルクティー」「抹茶ホットチョコレート」などが有ります。高木書店とこの漫画カフェがアニメ文化の聖地であるのではないかと思います。デュッセルドルフに集まるコスプレを楽しむ若者達
その隣に出てくるのが「Bing Go」という日本人からしたら恐ろしい程の山盛りのアイスクリームを売る鯛焼き屋です。アイスクリームには餡子が乗っています。この写真を見ていただくとガラスに反射して多くの人達が店の外で順番待ちしていることがお分かりになると思います。
その隣には完全に日本語しかないトラベル会社がありますが、この会社の前でアイスクリームや鯛焼きを頬張る若い女性たちの写真も載せておきます。
ここまでで4件のお店を紹介しましたが、こんな感じです。
もうこの一角だけでお分かりいただいたと思いますので、あとは写真だけでご覧いただきます。
抹茶はもはやこの街では「どこにでも有る飲み物」です。
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ここまでの4軒です
できるだけ人が居ないときに撮影しています
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抹茶はこの街では
どこのカフェにでもあるようです
この他にも多くの日本食レストランなどがあるのですが、何枚か写真を見てもらいデュッセルドルフのリトルトーキョーのご紹介は終わりにします。
- 大きめのコンビニみたいなお店
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ラーメンの幟旗だけでなく
お隣には歯科医も有ります
- マル安はカツ丼・うどん・ラーメンなどのお店です
- ラーメン屋も本格的です
[カールスプラッツ市場]
続いてはデュッセルドルフの市場の紹介です。
カールスプラッツ市場はデュッセルドルフで最も歴史の長い市場で60件ほどの店が軒を連ねています。この市場の特長は新鮮な野菜や果物・肉・魚だけでなく、焼きたてのパン・チーズ・色々なソーセージ類・生花・ワイン、レストランやカフェなど非常にバラエティ豊富な市場になっていることです。食材の買い物だけでなく、家族で市場を見て回ってカフェをする人々が多いことも特徴的だと思います。
カールスプラッツ市場の中でいくつかのお店を紹介します。
まずはプロ寿司。場所も一番良いところなんですが、並んでいる人の列の長さでは一番長い列を作っていました。皆さん寿司が大好きなんですね。
続いてサラミソーセージの専門店です。私にはどれがどういうものか分かりませんが、さすがはドイツの市場だなと思いました。
そして、魚屋も有るんです。ドイツ人は魚を食べるイメージがないのですが、少なくとも現代の日本のスーパーでは買えないような立派な魚が並んでいます。それだけ日本人が消費すると言うことなのか、和食レストランで消費するのかどうかは不明です。
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魚屋も本格的です
まな板・包丁にも注目
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値段は高いですね
マデイラの5倍くらいですね
フルーツ屋さんも非常に繁盛しています。色とりどりのフルーツが並び、まるでトロピカルな国なのかと錯覚してしまいそうです。背面に鏡を一面に張ってあるところなどは昔の日本の八百屋さんを思い出しました。
他にも沢山のお店が有るのですが、カールスプラッツ市場の最後は八百屋さんのアスパラガスの写真で終わります。このアスパラガスがこの時期5月~6月のデュッセルドルフの名物なのです。このホワイトアスパラガスをつまみにビールを飲む。これがデュッセルドルフの醍醐味だと言われています。
[アルトビール]
デュッセルドルフのビールと言えばアルトビールです。
醸造方法や製造過程はさておき、深くてコクのあるビールなのに、口当たりがいいからか、はたまた香りが際立つビールだからか、なぜかコクコク飲めちゃう、飲んでみないと分からない美味しいビール。これがアルトビールです。すぐ隣の街ケルンにはケルシュビールが有り、それぞれ伝統的なビール製法を守り醸造所の伝統を大切にしているところなどは日本も学ぶべきところではないかと感じます。
デュッセルドルフにはアルトビールの醸造所がいくつかあるのですが、今回はその中でも最も歴史のあるシューマッハ醸造所を訪問しました。その時のホワイトアスパラガスの写真がこちらです。ハムもホワイトアスパラも大変に美味しくいただきました。その他色々とつまみを出して貰ったのですが、勿論ソーセージは色々な種類が出てきました。
- 歴史あるシューマッハ醸造所
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シューマッハ醸造所の
アルトビール
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シューマッハ醸造所で
アルトビールと共にいただく
ホワイトアスパラ
ドイツの独特なつまみのひとつであるメットブロートヒェンをご存知ですか?これは豚肉の挽肉を生でパンに乗せて食べるという世界的にも珍しいものです、今回のシューマッハ醸造所では写真を撮る前に食べてしまいましたので、デュッセルドルフでもう一つ歴史のある醸造所であるフュックスヒェン醸造所の写真を見てください。同じくフュックスヒェンのアスパラガスも載せておきます。シューマッハ醸造所は木製のテーブルと椅子で室内は比較的暗い感じです。歴史の古さを非常に感じるような作りです。
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フュックスヒェン醸造所の
メットブロートヒェン
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フュックスヒェン醸造所の
ホワイトアスパラ
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シューマッハ醸造所内部
ちょうどこの席に座りました
ここで、デュッセルドルフでビールを飲む時の注意ですが、ドイツ人は大きなジョッキで飲むような印象を持っていませんか?実はデュッセルドルフでアルトビールを飲むとその印象が大きく違うことに気が付きます。いきなり小さなコップで「あれれ?」と思うのですが、アルトビールは泡が消えないうちに一息で飲むのが美味しい飲み方なので、大きなグラスを使わないのです。そしてアルトビールは日本で言う「わんこそば」スタイルです。つまりコップが空になったり空に近い状態だと、すぐさまおかわりのビールが注がれます。「もうこれで終わりにしよう」なんていう甘いモノではないのです。
終わりにしたい場合は注がれる前にコースターをコップの上に置くということで終了となります。因みにこの方法だと何杯飲んだか分からなくなりますよね。ウエイターは注ぐ度にコースターに印を付けていきます。
[デュッセルドルフの街並み]
デュッセルドルフの街が実に素晴しい街であるかはこちら(「春高ヨーロッパ倶楽部」2024年総会がドイツ・デュッセルドルフで開催されました。)をご覧いただきたいのですが、美しい街並みについても少しだけ写真で紹介させてください。
デュッセルドルフタワーはやはりこの街を代表するシンボルです。このタワーは通常はラインタワーと呼ばれライン川沿いの写真が多いのですが、今回は街並みということで路面電車の線路から見る景色とカイザータイヒからの景色をご覧下さい。
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路面電車の軌道敷から見る
ラインタワー
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カイザータイヒから
ラインタワーと近代美術館を望む
街の至る所に彫刻があり「ここはローマか?」と思わせるような建築物と非常にモダンな新時代の建築物、そして日本を愛するコスプレの若者が同居する不思議な街デュッセルドルフ。こんな街で「春高ヨーロッパ倶楽部」の2025年総会は開催されました。
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ドイツのカイザー
ウィルヘルム1世像
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旧ドイツ鉄鋼産業本部
現在は行政裁判所
【2025年デュッセルドルフ総会】
会場はイタリアンレストラン「ポルトフィーノ」。このレストランのマスターは「日本で賄いで食べたスパゲティ・ナポリタン」が忘れられず、キッコーマン醤油が欠かせないと語る「日本大好き」な方で奥様は日本人。今回は「大声で校歌を歌って下さい」と言う春高同窓会に向けた特別な個室を用意していただきました。
出席者は、日本から種村同窓会長、尾崎会長。そして日本とドイツ・アフガニスタンを股にかけて活躍する矢倉さん(34回)。ドイツから5名、オランダから1名、マデイラから1名の合計10名です。参加者のうち4名が初参加という新しい時代の到来を感じさせる総会となりました。
尾崎会長からは「春高ヨーロッパ倶楽部」の経緯などを含めたお話しをいただきました。種村同窓会長からは、春高同窓会の現状や男女共学化の問題などのお話しをいただきました。その後参加者全員の近況報告を行い、特に初参加の方々を含め「非常に若いメンバーの同窓会」であることへの驚き、文化祭の伝統行事など話題に尽きることなく楽しい会話の弾む総会となりました。
COVID前のロンドンのメンバーを中心とした会合からイギリスのEU離脱・ウクライナ戦争開戦を経てドイツ近郊のメンバーを中心とした会合への変遷を見ても、世界の移り変わりが感じられる「春高ヨーロッパ倶楽部」2025年総会であったと思います。
今回の総会では会合の最後ではなく、比較的早い時間帯に「もう校歌を歌いましょう!」という発声があり、会合の途中で校歌斉唱を行いました。その後も歓談の声は収まらず、気が付けば5時間を越える大総会であったことを報告いたします。更にその後、二次会で世界情勢について論議したことは言うまでもありません。
■校歌斉唱動画
なお、会場の記念写真は何枚も撮影したのですが、比較的暗い部屋だったこともあり画像が悪いことをご容赦ください。一番良い写真がこちらです。
日本からご参加いただいた種村同窓会長、遠いところありがとうございます。また、アキレス腱を2度にわたり断裂されたにもかかわらず現地幹事を務めていただいた45回卒守屋さんには深く感謝します。
なお、「春高ヨーロッパ倶楽部」2026年総会はドイツで開催する予定ですが、候補地がシュトゥトガルト・ミュンヘン・フランクフルト・デュッセルドルフなどで検討中ですので詳細は未定です。決まり次第お知らせいたします。
若い卒業生の方も是非「春高ヨーロッパ倶楽部」に興味を持っていただき「いつかは春高ヨーロッパ倶楽部」を合い言葉に、どうぞご参加下さるよう期待しています。





























