4月18日(木)午後1時から、県庁内の県政記者クラブで、浦和高校、浦和第一女子高校、川越女子高校、春日部高校の4校の同窓会長が、今回の共学化勧告に対して別学維持を求める共同記者会見を行いました。
少し前に共学化を求める市民団体が記者会見を開いたことから、記者クラブ側から別学維持を求める高校の同窓会長に会見の要請があったようです。
各校とも知事や教育長への意見書や、同窓生・保護者・生徒等へのアンケート調査結果などをもとにそれぞれの意見表明を行い、その後、約1時間、記者との質疑応答が行われました。
すでに、テレビ・新聞等のメディアを通じてご存知かもしれませんが、各校の同窓会長からは、「高校選択の多様性が確保されている埼玉県の教育は優れている」、「思春期の生徒の心情や心身の発達にも配慮すべき」、「別学校には男女の固定化された役割分担の概念がない」、「異性に関するネガティブな経験から女子校を選ぶという生徒も多い(シェルター機能)」、「子どもたちや保護者から別学校が求められている(偏差値だけではない)現実がある」、「県民も認める歴史・伝統に根ざした各校の文化を大切にするべき」、などと発言しました。
春高については、特に、入試倍率1.5倍(県内トップ)、98%の保護者が子どもが春高に進学して満足を感じている、8割~9割の同窓生・保護者・現役生徒が別学の維持を要望している。こうした現実を見れば、一律に共学にする必要性はない。別学校であっても男女共同参画を進めることは十分に可能であると申し上げました。
さらに、共学賛成・反対の関係者だけの狭い議論に終わらせてはならない(まず妥協点は見出せないと思います)。広く県民にもオープンでていねいな議論を求めていくべきだ、と発言しました。共学化を求める人たちは、公費で賄われていて公共性が求められる公立校でありながら性別に基づき異なった取扱いをするのは「大問題」だと主張していますが、「大問題」か「問題なし」か、公費の使い道を決めるのは県民の皆さんです。
一部の大人の論理を学校という生徒が主役の教育現場に押しつけないでほしい。これは埼玉県の教育の問題であって、常に「主語は生徒たち」であるべきです。
その他、いろいろ具体的な質問もありましたが、共学化になると困ることは?と聞かれ、真っ先に浮かんだのが「50mプール」と「女子トイレ」でした(笑)。先生方の授業指導方法がかなり変わるだろうし、施設改修に莫大な費用がかかりますから。春高の文化とは?との質問には、「自由、自主自立、団結力、校歌が大好き」と答えました(笑)。今から思えば、他にもたくさんありますけどね。
なお、4月17日から県教委が始めた中高生と保護者の皆さんへのwebアンケートですが、誰でも、何回でも回答できる設計になっていて、組織票やなりすましを懸念していたのですが、かなりクレームが入ったようで、今は記名式に変更されました。たくさんの皆さんが自分自身で考えた健全な回答をしてくれることを期待しています。
埼玉県立春日部高等学校同窓会会長 種村 隆久
*関連ページ: 種村隆久会長の挨拶(2022年7月公開)